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味噌作りには浮糀みそという麹作りの粋な技術がある

味噌をみそ汁に溶いた時に麹が浮くみそ汁がある

みそ汁を作ったときにしばしば、麹の米の粒が『ふぁっ』と浮いてくる味噌があります。

そういった味噌は浮糀(うきこうじ)といいます。
また、浮き麹や浮麹ともいいます

浮糀(うき麹)とは?

味噌汁を仕込むときに味噌を溶かすときに、米麹が味噌汁の上部に浮かんでくる味噌汁のこと。

昔の方々は米が大切で貴重なものだったので、味噌汁にした時に、糀が浮くと(米が沢山入っているからだと思い)喜んだ。

全国でも浮き麹味噌を仕込まれていますが、米どころの越中や越後地方の味噌の蔵元さんがよく、浮糀の味噌を積極的に仕込まれています。
浮糀の技術が高いのも越後味噌や越中味噌が多いです。

浮糀味噌は原料の吟味はもちろんのこと、仕込むときの技術や高度な麹の出来きが求められたり、丁寧に作られた味噌や良質なお味噌とも言えますね。

浮き麹味噌のつくり方

浮き麹味噌のつくり方のコツは主に大きく分けて2つの技術と一つの原料の鉄則に分かれます。

その分類は

  • 【原料の鉄則】原料となる麹の米は丸米を使うこと
  • 【技術】仕込み(麹と大豆と塩を混ぜる工程)で麹を浮くようにする
  • 【技術】麹作りの時に麹の製麹時間や温度を調整する

浮糀味噌の原料は米選びから

お味噌は基本的に大豆と米と塩という3つの原料で成り立つ食べ物です。

大豆や米などにはいろんな等級や種類があります。

そのなかでも、味噌は加工食品なので、

米の規格の中に『破砕精米』と『丸米』の2種類があります。

結論から言うと、浮糀味噌に使うお米は『破砕精米』のお米でなく『丸米』の
お米が多いです。

破砕精米(はさいせいまい)とは

加工用の米から主食用に転売できないように、食用の丸米をくだいたお米のこと。
詳しくはこちらのサイト

丸米(まるまい)とは?

丸米とは主に食卓や食用に使われるお米のこと。馴染みの深い、食べるための米です。

どうしても、浮き麹味噌を作るためにはお米が丸くないと浮き上がりません。そのため、破砕米などで仕込まれる蔵元さんは少ないですね。

仕込みは麹のレシピと塩切りのタイミングが要諦

味噌を仕込むときのレシピで、例えばですが

■大豆10キロに対して麹8キロの味噌と…

■大豆10キロに対して麹20キロの味噌…

どちらがお米の割合が多いかは明らかですね。答えは後者です。

味噌屋さんなどの業界用語で『麹歩合(こうじぶあい)』といいますが
麹歩合が多い味噌ほど、米の割合が多いので、浮糀になる確率は高いですね。

また、仕込みの時にたいてい、麹と一緒に塩を混ぜるのがセオリーですが、
大豆と塩を混ぜて、その後に麹を混ぜ合わせると、浮糀になりやすいですね。

その時は、炊いた大豆は水分が麹よりおおく、塩の混ぜ加減が非常に見極めるのがコツですね。
また、追麹といって、麹をある程度(大豆と塩と)まぜてから、最後に麹を追うように入れる技術もありますね。

たいてい、大豆に塩を切るか、追麹をするか、またまた両方するのか?それに仕込みは分類されるようです。

麹作りの製麹と『枯らし』と呼ばれる技術

麹つくりはいろんなやり方や製麹(せいきく→麹カビを繁殖すること)方法があり、一概にこれがこう!ということは言いにくいのですが、
浮糀味噌を作るときには、麹の製麹時間を長めにするようです。(これは聞いた話です)

たいてい麹作りの時は、米を蒸してから約40時間前後で大豆と塩を混ぜる仕込みの段階に移行します

しかし、浮糀をつくるためには水分含有量が少ない方がベターです。そのため、製麹時間を50時間ほど行い、『老麹(ひねこうじ)』を作り仕込みをするようです。

また、製麹温度も設定温度を高温製麹にするようです。

麹作りもこう言うことを考えると非常に奥が深いですね。

『米蒸し3年、豆炊き5年、麹と仕込みは一生』という言葉があるくらいですもんね。

麹作りや味噌作りは奥が深く、楽しい

いろんな蔵元さんとの技術交流や意見交流を行うといろんな見方や様々な立場、見聞が聞けて面白いですね

また、こんな技術あれこれよりも、最終的に味噌を熟成してくれるのは麹カビのおかげですね。

みなさまも味噌を溶いていて、麹がふわっと浮いたら、『あっ、これが浮糀なのだなぁ…』と
思うと、その味噌の向こう側の麹作っている人が味噌を通じて見えてくるかもしれませんね♪

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