マルカワみそが他の味噌屋と違う5つのこだわり

マルカワみそは創業1914年。大正3年より110年近く味噌作りを続けてきた味噌屋です。

河崎宇右衛門(かわさきうえもん)が麹業を営んでから、先祖代々家族経営の味噌作りに励んでいました。

河崎宏 「マルカワみそがなぜ有機のみそを作り続けるのか?」

マルカワみそが他の味噌屋と違う5つのこだわり

味噌を天然醸造で仕込む

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そもそも天然醸造とは、味噌に加温をしない、指定された添加物を使わない、昔ながらの味噌の作り方です。

マルカワみそはとことん天然醸造で味噌を仕込みます。

なぜ天然醸造で味噌を仕込むか?というと理由は簡単です。『天然醸造で仕込んだ味噌のほうが美味しいからです』

味噌本来の味と香りを天然醸造は楽しめるからです。

味噌や醤油などの醗酵食品は人間が作るのではなく、麹菌というカビが醸してくれてやっと、商品になります。そのため、醗酵食品は時間がかかります。醗酵食品を作っている蔵元さんは戦後、食糧増産計画や『大量生産・大量消費』の流れから、味噌を強制的に醗酵させて味噌を作るようになり、天然醸造のお味噌が激減するようになりました。

しかし、マルカワみそは『天然醸造』という味噌の作り方を時代の流れに逆行しても作り続けました。理由は『天然醸造』でしか、マルカワみその味と香り、そして醗酵食品であり、調味料であり、お母さんの味である、マルカワの味が出せないとわかっていたからです。

天然醸造だと味噌を日本の四季にあわせて約1年寝かすため、味噌本来の味と香りが楽しめます。また、長期熟成のため味噌の色が栗色やこげ茶色のような色合いをしています。

白味噌は天然醸造で仕込むことができない

マルカワみその商品に白味噌という商品がございます。白味噌は他のお味噌に比べて塩分濃度が約5.5%と従来のお味噌の塩分の半分ほどです。

味噌における塩分は『防腐』の役割を果たします。そのため、塩分が少ない白味噌は腐敗を防ぐため麹の『糖化』を用いて保存ができるように仕込みます。麹の糖化を用いるためには、仕込んだお味噌を加温することが必要なため、白味噌はどうしても天然醸造では作ることができません。

主に木桶で味噌を仕込む

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マルカワみそは味噌を70本の木桶で仕込みます。大阪で木桶を造っていらっしゃる桶師さんが言いました。

『桶で仕込んだ商品はなぜか温かくて柔らかい商品ができるんやなぁ…』

醗酵食品は麹菌(別名:コウジカビ)というカビの特性をいかして味噌になります。ステンタンクやホーロータンクで味噌を仕込むと菌は洗浄するときに住み着くことなく流れてしまいます。

しかし木桶は木の繊維質の隙間から菌が住み着き、住み着いた菌のお陰でより美味しい個性的な味噌ができるのです。

また麹菌は気温20度~30の時に活発に動きます。ステンタンクやホーロータンクですと、熱しやすく冷めやすい性質があるので、そのぶん、商品にも影響があります。木の桶は木からできているので、湿度や温度のわずかな変化をお味噌に伝えることができます。

桶には発酵食品の理想的な醗酵環境が整っています。

木桶はステンタンクなどに比べて値段も高く、またメンテナンスの手間なども必要で、メンテナンス費用も割高です。しかし伝統的製法でもある桶仕込みにロマンと魅力があり、味噌たちも喜んでいるのでは?と感じております。

農薬や化学物質を含まない有機原料での味噌作り

マルカワみそでは、主に国産の有機栽培の原料を用いて味噌作りをしています。(下記ページでも購入できます)

大豆・麹の販売ページ

通常では、味噌1キロ作るのに192gの農薬や化学肥料を使います(自社調べ)。そしてその全てが人体に吸収されるというわけではありませんが、農薬や化学肥料などの化学物質は、農地や畑に散布されると土壌から川、海と巡り巡って人体に濃縮されます。

化学物質を取り込むとすぐに人体に影響があるのかというとそうではありません。しかし人体に溜まっていく状態は決していいものではありません。また人によっては、微量の化学物質でアレルギー反応を起こす人もいます。

食品添加物表示には「キャリーオーバー」という表示法律があります。この決まりによって、原材料表示にも添加物を表示しなくてもよい場合があります。

また、10回除草剤を使用しようが、100回農薬を散布しても、「農薬使用」と表示する必要もありませんし、使用頻度の回数なども市販の商品では表記はされません。

しかし、マルカワみそではお客様へ満足に説明ができないのは不誠実だと思います。なるべく化学物質の汚染が少ないように心がけております。

少しでもよい味噌作りのためや、マルカワみその醸造哲学のために化学物質を排除しております。

仕込み水は雪解け水の地下水を使用

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良い麹やお味噌を作るには、良質な『水』が必要不可欠です。よくお酒の蔵元さんは、良い水が入る土地で造り酒蔵を立てたりしますね。お味噌も然りです。

原料を洗うのも水、浸漬するのも水、煮たりするのも水、仕込むためにも水…。出来高重量の約5倍以上の水を味噌作りには使います。味噌1kg作るには約5kgの水が必要になります。

また、味噌の水分は約50%です。そのため、良質な水を使うということは、美味しい味噌を作るには必要不可欠なのです。マルカワみそは『雪国福井』に位置するため、ありがたいことに、豊富な雪解け水が地下水となり湧き出てきます。

川から味噌蔵に来るまで地層によって自然ろ過されます。

良質な飲める地下水を味噌蔵内の水に使用しております(毎年の水質検査済)。

水道の水をいっさい使わない、カルキの匂いとは無縁の水での味噌作りがマルカワみその特徴の1つです。

マルカワみそ独自の蔵つき麹の技術

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マルカワみそでは蔵に住み着いている麹菌を自家採取する技術を持っています。

これは一昔までは当たり前のように培われていた技術なのですが、今は『種麹屋』という麹の元となる種麹を販売されている会社がいらっしゃるので、たいていの蔵元は種麹屋から仕入れております。

マルカワみそでは昔ながらのお味噌を今でも当たり前のように作りたい…という想いから、種麹菌を味噌蔵から自家採種して味噌作りをしております。

種麹を自家採種しようと思うと、膨大な手間と熟練された技術が要求されます。しかし、マルカワみそでは親子4世代を超えて受け継がれた種麹の技術が、途絶えることなく伝承されております。

蔵に住み着いた自然界に存在する4種類の麹菌の豊かな風味をお楽しみいただけたら幸いです。

限りなく自然・天然に近い素材と製法を用いた味噌作り

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『河崎宏』は、マルカワみそに入社して1つやりたいことがありました。

それは『どうしても無農薬の味噌を作りたい!!』ということです。それをやらないと死ぬまで後悔する!!と決意しました。

その決意から情熱は途切れるとこはありませんでした。むしろ思いは強まる一方でした。

1992年自社栽培による有機米、有機大豆の栽培開始。

味噌屋の専務と有機農業の会社の代表という二足のわらじで朝早くから夜遅くまで仕事に勤しんでいました。

当時(1990年代)の有機農法を認知・買い支えてくださるお客様が多くなかったこともあり、万年赤字と共に過労により2回倒れてしまいました。

しかし、突き進んでいった8年間でオーガニックの生産者を出会い、オーガニックのバトンを味噌作りに変えてお客様へ提供するようにしました。

また、オーガニックを突き進んでいったら、自然栽培という農法に出会いました。2009年から自社農場1haで自然栽培大豆を育てています。

なんでそんなことをするの?というと、食べ物、味噌屋、農業というものを考えてみてみました。

食べ物については政治ではないのだから『議論より実践しよう!』と思い、行動し、実践しております。

『100回農薬の危険性を議論、述べるより、たった1粒の有機栽培された大豆を生産・消費することの方が価値がある』と信じております。

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味噌という商品は基礎調味料であり、保存食であり、お母さんの味であり、はるか昔の日本から貴重で良質なタンパク質源として重宝されてきました。今でもその事実は変わりありません。しかしいろんな時代背景から、そんな温かみがあり、優しい味噌がどんどん廃れていっております。

また、コスト優先、生産効率優先の世の中から、醗酵食品や基礎調味料も産地・製法が共に変化してしまいました。マルカワみそはとことん一つのこと(味噌作り)を求心的に味噌作りをしてまいりたいと心がけております。

その想いが『天然醸造』であったり、『木桶仕込み』やいろんな素材・製法を用いることで、上記の想いを形にしております。

マルカワみその企業理念は

私たちは、正直さを信念にみそつくりを通じて、

「食の安全」と「健康」へ貢献する企業を

目指し続けます。』でございます。

これからの100年後にも、マルカワみその変えてはいけない想いを継承して、味噌作りを毎日しております。

『人に良い』と書いて『食』と言います。少しでもよいものを作れるように、腕を磨いて、人間を磨いて、精進してまいります。

世界各国へ味噌を輸出するマルカワみそ

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マルカワみそのモノ作りは日本だけでなく、世界各国にも貿易会社を通じてはばたいております。

地図の赤い文字がマルカワみそが輸出している輸出先です。

海外の方からは、木の桶で一年寝かした伝統的製法というのが高く評価され、バイヤーさんが来日された時にはマルカワみその味噌蔵を見に来られることも少なくありません。

家族経営でされているという点も評価が高いです。海外の方が家族経営で評価されているのは2点あります。1点目は欧州のワインなどと同じようで代々血縁で受け継がれていく大切な伝統が守られている点です。2点目は老舗会社を継続するには、その代を受け継ぐごとにイノベーション(仕組みの革新)が起きないといけないと言われております。マルカワみそは4代にわたり108年近く味噌つくりをしますが、その代が変わる時にイノベーションが起きている点です。

海外のお客様にも喜んでもらえることはこの上ない幸せですね。

日本の伝統産業であり、日本の代表的な調味料である『お味噌』。国内だけでなく海外でも活躍できるような味噌つくりがマルカワみそにはあります。

この記事は 河崎紘徳(かわさきひろのり) が書きました
高校卒業後、日本料理の勉強がしたいと思い辻調理師専門学校入学。
日本料理特待生制度合格、2006年卒業生代表として答辞を行う。
大阪の梅田にある日本料理店に就職し、日本料理を学ぶ。
2007年マルカワみそ入社。
2015年福井県最年少でみそ一級技能士合格(国家資格である技能検定制度)
NHK文化センター様 味噌作り教室の年間認定講師

これからも健康に貢献出来る商品作りを続けてまいります。

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