【写真付き】麦麹って何?使い方や米麹との違いを味噌屋が徹底解説!

麦麹と米麹の違いについて

マルカワみその麦麹について

マルカワみそでは麹の販売コーナーに、米麹と麦麹と豆麹といろんな麹が販売されております。

たいていの手作り味噌は米こうじを使った米味噌を仕込んでいますが、麦麹ってどんな麹なのだろう?と感じることもあると思います。

今回はその、麦麹と米麹の違いと特徴をまとめてみました。

麦麹と米麹の大きな違いは3点ある。

麦麹はお味噌にした時に米みそより、あっさりとした風味がする

麦味噌

米麹は原料は米からできているので、お米はレシピによっても変わりますが、お米の甘味がお味噌汁にした時に引き立ちます。

しかし、麦麹は原料は麦からできています。そのため、みそ汁にした時に、お米特有の甘味は少なく、あっさりとして、さらっとした飲み心地がします。

九州地方や四国・中部地方では馴染みが深いお味噌汁で、日本北部と比べて南の位置に属しているので、体の芯からあたたまるようなお味噌汁になるのでなく、夏でもスッと喉越しの良い飲みごたえとあっさり加減が特徴です。

麦麹は麹の香りが豊かで、みそ汁にした時に顕著にあらわれる

小麦粉からパンなどを作って焼くと、焼きたてのパンは非常に香ばしい香りがしますよね。

お味噌に使う麦麹は大麦などがメインでございますが、麦は非常に香りが良い穀物なので、それは麦麹にも言えます。

天然醸造という長期で熟成されたお味噌には非常に麦の心地良い香りがします。

さらっとした、みそ汁で香りもよく、普段のお味噌や麹を少し変えるだけで、ご家庭の食卓が非常にバラエティよく、そして彩りよくなります。

お味噌汁を作るときに、麦味噌を溶くときの香りはお味噌がほどよく熟成されて、かつ大麦特有の濃厚で食欲をそそる、よい香りがします。

麦麹は米麹よりも水をよく吸う傾向にある

麦は米より水をよく吸う穀物だ

麦という穀物は米よりも水をよく吸う植物のため、米味噌と同じレシピで作っても、麦糀が水を吸ってやや固めになる傾向にございます。

それは麦の吸水率が高いためにおきることで、少し大豆の炊き具合を柔らかくするか、蒸した大豆を潰して、麹と食塩を混ぜる時に、加水をすることをオススメ致します。

そうすることにより、程よい柔らかさのみそ汁の溶けのよいお味噌ができます。

ちょっとしたことなのですが、『素材や原料を知る』ということはお味噌作りやお料理の時には非常に大事になってきますね。

大麦はそのままだと、外皮が硬くて麹作りができないので精麦作業を行う

麦麹は精白を行う

また、原料処理の時も米麹と麦麹では少し違ってきます。

大麦麹は採れたての大麦ですと、外皮が硬すぎて麹菌が繁殖できません。

そのため、外皮を約35%ほど精麦機で精麦作業を行います。

大麦は歩留まりがあまりよくなく、100kgの大麦を精麦すると、65kgまで総重量の35%を精麦します。

麦味噌の消費が盛んな地方は九州地方や四国・中部地方である

マルカワみその麦味噌

お味噌は地域性や風土性に富んだ食品なので、その地方に採れる原料で仕込む傾向にあります。

例えば、私達の地元、北陸地方の福井県では米どころと言うこともあり、米麹をたくさん使ったお味噌が好まれる傾向にございます。

そして、九州地方は大麦などの栽培が盛んな為に、麦糀を仕込んで麦味噌を仕込んでいました。

まさに昔ながらのお味噌は『身土不二』の精神が宿っていたのですね。

この記事は 河崎紘徳(かわさきひろのり) が書きました
高校卒業後、日本料理の勉強がしたいと思い辻調理師専門学校入学。
日本料理特待生制度合格、2006年卒業生代表として答辞を行う。
大阪の梅田にある日本料理店に就職し、日本料理を学ぶ。
2007年マルカワみそ入社。
2015年福井県最年少でみそ一級技能士合格(国家資格である技能検定制度)
NHK文化センター様 味噌作り教室の年間認定講師

これからも健康に貢献出来る商品作りを続けてまいります。

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