【味噌マガ】手作りみそは3度あたたかい
┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓
┃マ┃┃ル┃┃カ┃┃ワ┃┃み┃┃そ┃
┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■当たり前のことをいつまでも当たり前に…
越前有機蔵マルカワみそ
【味噌マガ】手作りみそは3度あたたかい
蔵の菌と共に夢を醸す”味噌マガ”
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
味噌マガ読者の皆様
こんにちは、マルカワみその河崎紘一郎です。
2月に入り、寒さが一層厳しく感じられる季節となりました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
先日、福井でも積雪を記録しましたが、東北地方ではさらに深刻な災害級の積雪が報告されています。
雪下ろし時の事故報道を耳にするたびに、私は心が痛みます。
私も除雪をしますが、決して他人事ではなく、安全第一で行いたいものです。
また、降雪時の立ち往生を解消するため、現在では国道や高速道路で予防的通行止めが実施されるようになりました。2010年代には雪の日であっても、集荷された荷物が翌日の午前中に東京や大阪、愛知に届けられていたことを覚えています。
しかし、今は2025年。
現在は道路規制に加え、運転手さんの待遇改善の取り組みも進められており、物流にも変化が見られます。
そのため、降雪時には遅延が発生する可能性がございます。誠に恐れ入りますが、お味噌作りの材料などのご注文につきましては、ゆとりを持った段取りをおすすめいたします。ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
今回は『手作りみそは3度あたたかい』をテーマにお届けします。
お楽しみいただけたら幸いでございます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆手作りみそは3度あたたかい
2月は1年の中でも寒さが厳しい季節です。この時期に仕込む手作りみそは失敗が少なく、特に美味しく仕上がります。手作りみそには、体も心も温まる魅力が詰まっています。
そんな、手作り味噌の「あたたかさ」を説明しますね♪
1、仕込み時に身体を動かしてポカポカ
手作りみその仕込みは、大豆を潰したり、麹と塩と大豆を混ぜ合わせたりと意外と全身を使う力仕事です。普段あまり使わない筋肉を動かす良い運動になりますよ。
さらに、大豆を炊くときには部屋に湯気が広がり、寒い季節でも暖かさを感じられます。炊き上がった大豆の香ばしい香りも、心をほっとさせてくれるはずです。
2、お味噌は身体を温める食べ物
昔ながらの発酵食品である味噌は日本の食卓には欠かせない存在です。その健康効果は『味噌の医者殺し』ということわざにも表れています。
味噌は良質な栄養素を豊富に含み、日本人の健康を支えてきた縁の下の力持ちとも言える存在です。
「冷えは万病のもと」と言われるように、体を温めることは健康維持にとても大切です。
特に冬は冷たい風雨や雪で体の芯から冷えがちですが、そんな時こそ味噌汁が大活躍。
お味噌汁にすることで、味噌の栄養効果に加えて、体をしっかりと温める効果も得られます。
さらに、具材に緑黄色野菜、海藻類を加えることで、ビタミンやミネラルなどの栄養素を手軽に効率よく摂取できることも嬉しいポイントです。味噌汁なら野菜のかさが減り、水溶性の栄養素も無駄なく取り入れることができます。
もちろん市販のスープでも体を温められますが、自分で仕込んだ手作り味噌で作る味噌汁は、格別の美味しさとぬくもりを感じられる一杯になることは間違いありません。
3、おふくろの味の代名詞
おふくろの味の立役者は、間違いなく「お味噌」だと私は思います。ここでお伝えする「おふくろの味」とは、幼少期の家庭料理や、郷愁を誘う温かい思い出の料理と定義します。
一人で手作り味噌を仕込むのも楽しいのですが、数人でお味噌を仕込むことにも違った醍醐味があります。ご家族やご友人をお誘いするきっかけも生まれますね。
また、出来上がった手作り味噌で料理をすると「あれっ、お味噌変えた?」など、家族の何気ない会話が生まれることも♪
料理の温かさだけでなく、会話やひとときのぬくもりも一緒に提供できるのが、手作り味噌の魅力です。
親御さんや祖父母、ご親戚、ご友人の方々との思い出を、ふと思い浮かべるきっかけになるかも知れません。
「そういえば、自分のお味噌汁は〇〇だったなぁ…」と。
地域性、風土色が高いのもお味噌の魅力の一つです。
最近はSNSでのつながりも重要視されるようになりましたが、身近な方との、ふとした日常や思い出はかけがえのない宝物です。その日常や思い出は決してお金で買えるような代物ではなく、手作り味噌には、その宝物をさらに深める力があります。
実際に手作り味噌を作られた方々からは、こんな声をいただいています。
◯実家を離れている娘に送ったらすごく喜ばれた。
◯自分で仕込んだ味噌を家族に味見してもらったら「美味しい!」と褒められた。
◯ご近所や友人、同僚におすそ分けしたら会話が弾み人間関係がより良くなった。
これらのエピソードをお伺いするたびに、本当に味噌屋冥利に尽きると、私の胸が温まります。
「誰かが自分のために作ってくれた」と感じられる手作り料理、お味噌には、特別なぬくもりがあるのでしょうね。
長々と書いてしまいましたが、手作り味噌は、仕込むとき、食べるとき、そして会話を通じて、3度の“あたたかさ”を感じられるものです。
この冬、皆さまもぜひ、自分だけの味噌作りに挑戦してみませんか?
陰ながら応援させていただきます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
手作りの お味噌に込めた 未来かな
先日、マルカワみそ本社拠点の杉崎町の子ども会で、初めて手作り味噌を仕込みました。
地元の子どもたちと一緒にお味噌作りを体験する貴重な機会となりました。
「手作りみそを作ったことがある方はいますか?」
冒頭で子どもたちや親御さんにお尋ねしましたが、ほとんどの方が初めてとのこと。私も少し緊張しながらのスタートでした(笑)
私に対して、普段見ているおじさんが今日はちょっと雰囲気が違うな、と感じた方もいらっしゃったかもしれません。
少しでもお味噌の魅力をお伝えしたい。
そして、親子で作る手作りみそをただ楽しんでほしい…。
そんな気持ちで仕込みを始めました。
手作り味噌を仕込んでいる時、子どもたちの目を見ていると、少しずつ緊張がほぐれ、楽しんでいる様子が伝わってきました。
「煮た大豆はこんな感じで潰れるんだ!」
「麹なんて、初めて見たわ!」
「麹と塩を混ぜる時、いい香りがする」
そんな言葉が印象的でした。
親子で手作り味噌を通じて、日常の食材への発見や、食べ物を作る楽しさを感じてもらえたら嬉しいです。
今後も地域の皆さんと一緒に、こうした活動を通じて味噌の文化を次の世代に伝えていけたらと思います。
町内の方々とのご縁を大切に。
この地域で商売ができることには、感謝の気持ちしかありません。
「単なる商業的な存在ではなく、地域に愛される会社」
そんな味噌屋であり続けたいと私は願っています。
そしてその中で、お味噌の文化や伝統を伝え育むことができたら最高だなと、仕込みを終えたときに改めて感じました。
長文を最後までご覧いただき、ありがとうございます。
次回の味噌マガもお楽しみに。