【味噌マガ】お味噌は生活必需品!?ご飯とお味噌汁の生活について

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■当たり前のことをいつまでも当たり前に…

越前有機蔵マルカワみそ
【味噌マガ】お味噌は生活必需品!?ご飯とお味噌汁の生活について

蔵の菌と共に夢を醸す”味噌マガ”

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味噌マガ読者の皆様
マルカワみその河崎紘一郎です。

5月になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
福井県では、早生品種ハナエチゼンの田植えがはじまりました。

5月は「皐月(さつき)」とも呼ばれます。これは早苗月(さなえつき)が由来とも言われていて、田植えの季節を意味しています。また『皐』という字には「田の神に捧げる稲」という意味もあり、日本人の暮らしと祈りが重なった言葉です。
近ごろは頻繁にお米の高騰がニュースで取り上げられ、日本の農業のあり方が改めて問われています。
食卓の身近な存在であるお米。農家さんが元気であり続けるために、どのような営農形態が求められるのでしょうか。
「時は今雨が滴る皐月かな」そんなことを考える今日この頃です。

今回は『お味噌は生活必需品!?ご飯とお味噌汁の生活について』をテーマにお届けします。

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◆『お味噌は生活必需品!?ご飯とお味噌汁の生活について』

「お味噌は生活必需品ですか?」

このように尋ねられた場合、皆さまであればどのようにお答えになりますか?
消費量が減少傾向にある今、即座に「はい」と答える方は少ないかもしれません。
しかし、かつて味噌は『生活必需品』と言えるほど、大切なものだったのです。

江戸時代までの日本人の食生活は「一汁一菜」。食事は主に玄米ごはんとお味噌汁であり、味噌は貴重なタンパク源でした。おかずが一品あるかないかの、シンプルなものです。玄米食は栄養バランスに優れていますが、タンパク質が不足しがちになります。
それを発酵食品であるお味噌汁が補っていました。栄養学などはない時代でしたが、シンプルながらも理にかなっている食生活でした。
冷蔵庫がない時代に保存が利く、どんな食材でも具材にして食べることができ、さらに食味がよくなる。味噌はまさに「万能調味料」として日本の食卓を支えていました。

さらに遡って戦国時代、味噌はただの調味料で収まることはありませんでした。
戦略物資=兵糧として、戦いの行方を左右するほどの存在だったのです。
「豊臣秀吉」や「徳川家康」が天下人になれた背景にも、味噌がありました。その最たる例が、あの歴史的大転換「本能寺の変」の後に起きた「中国大返し」です。
1582年、主君・織田信長が明智光秀によって討たれたと聞いた秀吉は、敵であった毛利家と即停戦、講和を結びます。そして2万人の軍勢を率いて岡山から京都までの約200kmを10日で踏破。まさに電光石火の強行軍でした。
この過酷な行軍を支えたのが、兵士たちが腰にぶら下げていた味噌だったのです。手軽に栄養が補給でき、疲労回復にもなる。『腹が減っては戦はできぬ』味噌はまさに「命をつなぐ食」でした。
秀吉は明智光秀を討ち取り、天の時、地の利、人の和を得て一気に天下への階段を駆け上がります。歴史が大きく動いたその陰に、味噌の力があったのです。

そしてもう一人。「鳴くまで待とうホトトギス」で知られる苦労人、徳川家康。 家康は質素倹約を美徳とし、味噌を中心とした粗食を貫いた人物でした。
その結果、当時としては異例の75歳という長寿をまっとうし、江戸幕府の礎を築いたのです。人生50年が当たり前だった時代に、孫の家光まで影響を与えられたのは、まさに健康あってこそ。このように天下人たちの傍らには、いつも味噌がありました。

ここでは紹介しきれない戦国大名たちも味噌を重要視していました。
きっと、飢えに苦しむ民たちの姿を見て見ぬふりなどできなかったのでしょう。
『名君は味噌を残した』
そう言っても過言ではなく、名だたる戦国大名ゆかりの地には、味噌作りが盛んな蔵元が数多くあります。味噌生産力=軍事力です。

もうひとつ、味噌とお米の関係について説明させてください。
昔からお米の量を表す単位に「石(こく)」というものがあります。1石はおよそ150kg。これは大人が1年間に食べるお米の量とされる単位なのです。
加賀百万石というのは100万人を養える国力、兵糧があるということを意味していました。
現代の日本では、1人あたりの年間お米消費量が60kgを切っています。かつて1年間で約150kg食べていた時代と比べると、半分以下にまで減少しました。
お米を食べなくなれば、自然とお供だったお味噌汁の出番も減る。味噌の存在感が家庭の食卓から薄れていくのも、時代の流れと言えるのかもしれません。
かつては生活必需品だったお味噌も、いまではなくても何とかなるもの。トイレットペーパーやガソリンと並ぶような必要不可欠なものではなくなり、「味噌がなければ、パンやパスタを食べればいい」とさえ言えてしまう時代です。
お味噌は、もはや“そろばん”のような存在かもしれません。古くからあるけど、現代ではあまり使わないもの。
でも、私は信じています。 味噌の、そろばんの、そして日本が培った伝統の底力を。

味噌はただの調味料ではありません。心と体に染みわたり、家庭のぬくもりを思い出させてくれる。そんな『心の必需品』になりうる力を持っています。
そろばんも、かつては時代遅れと見なされていましたが、今では「記憶力や集中力を高める知的トレーニング」として再評価されています。かつての教育の礎が、かたちを変えて蘇っているのです。
味噌もきっと、再び見直される時がくるでしょう。

捲土重来。一度敗れたり失敗したりした者が、再び勢いを盛り返して巻き返すことのたとえです。お味噌や徳川家康みたいですね。
捲土重来であるように、皆様から必要とされる味噌を作れるように、毎日精進して、味噌作りの腕を磨きますね。

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モロコシが なくて欠かせぬ 令和かな

生活必需品について考えましたが、いまではトウモロコシが生活必需品だと感じました。
トウモロコシといえば、屋台の出店で食べるくらいで1年間に2本ほどしか食べないよ。
それが生活必需品?と思うかも知れませんが、実際そうなのです。
文章がとても多くなったので、またの機会のネタにさせてくださいね。

長文を最後までご覧いただき、ありがとうございます。
次回の味噌マガもお楽しみに。

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