手作り味噌の仕込み時の固さ

手作り味噌の固さについて

煮た大豆と麹、塩を混ぜ、容器に詰めて熟成させると味噌ができます。でも容器に詰めるとき、「ちょっと柔らか過ぎたのかベタつくなあ~」「味噌が固くて容器に詰めにくい。。。」など、味噌の固さで悩まれたことはないでしょうか?ここでは、そんな味噌の固さについてご説明します。

味噌の固さによる特徴の違い

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まず、味噌の固さで風味などがどのように変わるのかご説明させていただきます。

柔らかい味噌の特徴

  • 味噌汁や鍋を作るとき溶けやすい
  • 味噌ドレッシングや和え物に混ぜやすい
  • スプーンやヘラなどに『ねっとり』と付きやすい
  • 味噌の粘性を柔らかくから固くはできない

柔らかい味噌は、主にみそ汁やドレッシング、和え物などに使いやすい傾向にあります。しかし、一番覚えておいていただきたいポイントは、柔らかい味噌は固めに調整することができないということです。

固めの味噌の特徴

  • みそ汁や鍋を作るときに溶けにくい。十分な撹拌と水量が必要になる場合もある
  • 味噌のドレッシングや和え物を作るとき、お湯などで一度溶かさないと馴染みにくい
  • 容器などにくっつきにくい
  • 状況によっては、加水などにより、柔らかめのお味噌に調整することができる
  • 盛り付け時に形が綺麗な状態で添えることができる

味噌が固くて溶けにくいと、汁物などを作る時にひと手間かかったり、取り出す時に力がいるかもしれません。
しかし、野菜スティックなどのように、皿の端に形を整えて盛ることができたり、水加減によって、味噌を柔らかく調整することができます。

上記2つの味噌の特徴をまとめると、味噌鍋みそ汁などには柔らかい味噌が適しており、野菜スティックなどには固めの味噌が適していると言えます

結論から申し上げますと、味噌は『柔らかくても固くても、それぞれに長所と短所があり、甲乙つけがたい』です。

柔らかい味噌と固い味噌はなぜできるのか?

次は、なぜ柔らかさの異なる味噌ができるのかをご説明いたします。
そもそも味噌というのは、人間が作り出しているのではなく、自然の摂理によって作り出されているものです。
そのため、味噌の固さというのはいろんな条件が関与されて決まるものであり、柔らかさを完全にコントロールするには高度な技術と経験を要します。

今回は手作り味噌の初心者の方にも分かりやすくまとめてみました。

  • 大豆の煮具合で味噌の固さが変化します
  • 味噌のレシピで味噌の固さが変化します
  • 仕込み水を足すか足さないかで味噌の固さが変化します

大豆の煮具合について

味噌作りにおいて大豆処理は非常に大切なポイントです。

大豆を浸ける時間や煮具合によって、味噌の固さが変わります。理想は親指と小指で簡単に潰れるくらいの柔らかさがベストです。

味噌のレシピについて

味噌のレシピでも味噌の固さが変わります。
手作り味噌セットの甘口タイプの様に、麹の割合が多いと、どうしても仕込んだ時の味噌がパサついたり、固めになる傾向にあります。
味噌の材料計算フォームで大豆と麹の割合が算出できます。

仕込み水について

マルカワみそでは、味噌の仕込みの際には加水をしなくてもよいと考えておりますが、味噌がパサついていたり、固くて仕込みにくい場合には、加水して耳たぶくらいの柔らかさになるよう調整しましょう。

仕込みたての味噌は食塩の浸透圧により固くなります

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味噌を仕込んだ時から数日経つと味噌が固くなっている場合があります。
それは食塩による自然現象なので、慌てて味噌を混ぜたり、加水したりしなくて大丈夫です。
お味噌は夏の時期に発酵が盛んになり、仕込んだ後固く感じたお味噌も、熟成が行き届き、しっかりとしたお味噌が出来上がります。

最後に、味噌が柔らかい、固いというのは、味噌の個性の1つです。手作り味噌の心配事の1つに味噌の固さがありますが、上記の特徴を踏まえて味噌を仕込まれると良いのではないでしょうか?

この記事は 河崎紘徳(かわさきひろのり) が書きました
2007年マルカワみそ入社。
2015年福井県最年少でみそ一級技能士合格(国家資格である技能検定制度)
味噌屋の息子として産まれ、世の中の方々に有機のみそ、自然栽培のみその
”素晴らしさ”、”美味しさ”、”楽しさ”を
広めていくのが私の使命だと思い、お客様のため一生懸命、麹作り、甘酒作り、味噌作りに励んでおります。

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