手作り味噌は仕込んだ後、どのような発酵過程になるのか?
手作り味噌は仕込んだ後、どのような変化をするのかまとめてみた
皆様、こんにちは。マルカワみその河崎です。
今回は『手作り味噌を仕込んだ後はどのように変化するのか?』この事についてまとめてみます。
お味噌は醗酵のロマンがたっぷり詰まっている食べものなので、色合いの経過も面白いですよね。
※参照:手作り味噌の作り方
今回の味噌は
- 仕込んだ直後の味噌
- 仕込んで3ヶ月のお味噌(3月に仕込んで6月に撮影)
- 仕込んで10ヶ月のお味噌(1年前の8月に仕込んで6月に撮影)
- 仕込んで2年以上経過した味噌(仕込んで3年以上のお味噌)
この4点をご用意しました。
写真でも見てわかるように『味噌は時間の経過と共に色合いが変化していきます』
それでは、それぞれの特徴を、色、風味、香り、柔らかさの観点から見て行きましょう!
また、味噌は仕込み時期や保管場所、保管状態によって、大きく醗酵する条件が異なるります。あくまでも参考までにご覧頂けましたら幸いです。
手作り味噌を仕込んだ直後のお味噌
手作り味噌を仕込んだ直後は、煮豆に塩と麹を混ぜたまま状態なので、味噌には程遠い状態です。
煮豆の大豆、そのままの色と固さになっており、そのまま、食べることはオススメ出来ません。
特徴をまとめると下記の様になります。
- 色合い⇒大豆の煮た状態の色合いのまま
- 風味⇒塩の塩味が強くて、塩辛すぎ
- 香り⇒大豆のかおり
- 柔らかさ⇒パサパサで、麹のつぶつぶ感あり
仕込んで3ヶ月ほど経過した時のお味噌
味噌は仕込み時期や保管場所、保管状態によって大きく異なりますが、北陸福井の常温でマルカワみその味噌蔵に常温で保存しておいたら、このような色合いになりました。
仕込んだ直後と比べると、やや着色現象が見られます。しかし、味噌特有の半固体のような粘性や固さは見られません。
夏を3ヶ月間超えるともっと違った感じになるのですが、春から夏にかけてのお味噌は写真のような色合いになります。
仕込んだ直後よりは味噌らしくなりましたが、まだまだです。味噌の香りも未熟臭がします。
3ヶ月仕込みの味噌をまとめると下記のようになります。
※市販のお味噌で3ヶ月熟成のお味噌がありますが、市販のお味噌は加温して味噌の熟成を促進しております。
特徴をまとめると下記の様になります。
- 色合い⇒着色現象が若干見られる
- 風味⇒熟成味が少し感じるようになりますが、塩辛さが強い
- 香り⇒味噌の香りがしますが、未熟臭
- 柔らかさ⇒仕込み直後によりは軟化したが、パサツキ有り
仕込んでから10ヶ月ほどのお味噌の場合
仕込んで10ヶ月ほど熟成をしますと、一番お味噌の食べごろになります。
麹と大豆は軟化されてつぶつぶ感はほとんどありません。また、色合いも茶色のキレイな色が照りを食欲をそそります。
味噌の香りも抜群で、まさに食べごろの状態です。
- 色合い⇒茶色い色合いになり、味噌に照りや冴えがあります
- 風味⇒大豆のうま味と麹の甘味が一番よい時です
- 香り⇒お味噌特有の発酵臭とほのかなアルコール臭がします
- 柔らかさ⇒味噌の半固体のようななめらかさ有り
仕込んで2年以上経過した味噌
味噌を仕込んで2年以上(仕込んでから2夏以上)経過した味噌は色合いが非常に濃くなります。
写真で見て頂いてもわかるように、黒くなります。
味噌の風味も多種多様で、2年以上の長期熟成した味噌の風味を好む方もいらっしゃれば、2年以上寝かした味噌は個性的過ぎて好きではないという方とはっきりと分かれる傾向にございます。
- 色合い⇒着色現象が進み、焦げ茶系や黒い色になる
- 風味⇒長期熟成により、米の甘味が減り、代わりに乳酸発酵による酸味が出てくる
- 香り⇒味噌の香りは10ヶ月目に比べて強くなります。また、アルコール臭も味噌の状態によっては強くなります。
- 柔らかさ⇒10ヶ月ほどの味噌と大きく変化はございません。
『まとめ』味噌は10ヶ月~12ヶ月目の時に食べると一番美味しい!!
味噌の熟成の変化はいかがでしたでしょうか?
あくまでも、仕込みの目安という形でのご紹介でして、経過温度や保管場所によって、必ずしも同じような結果になるとは言いがたいですが、味噌の醗酵は時間によって醸されます。
そこには人間の手はまったく関与されることのない、自然界の営みです。自分たちは味噌が気持ちよく発酵できるような環境を作らさせて頂くだけですね。
いろんな方の作り方や好みがありますが、私個人としては『手作り味噌は10ヶ月くらいの熟成が一番美味しい』です。
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