プロの味噌屋が教える美味しいお味噌の見分け方
美味しいお味噌の見分け方
お味噌は色合い、香りなど四つのカテゴリに分類して見分ることができます。
4つのカテゴリ分
- お味噌の色あい
- お味噌の香り
- お味噌の組成(そせい→やわらかさ)
- お味噌の風味
大抵、官能検査でも上から順番に見ていきます。お味噌造りのプロは色と、香りの2つだけで、だいたいどんなお味噌か分かります。スプーンなどで組成をみたら、味覚で検査しなくても、どんな感じでどんな味わいをしているかがわかることも特徴です。
お味噌の色合いについて
お味噌は色の種類で分類すると、赤色系、淡色系、白色系と分類されます。
色合いも様々です。オススメは冴えた照りがあり、自然の色合いをして、パッと見て、『あっ、美味しそうだな!』と本能や直感で思う色あいが大切です。お味噌のクスミや容器の上部と下部の間の色合いが違う味噌、また、離水が起きている味噌、照りや冴えがあまりないものはオススメしません。
お味噌の赤色系とは?
赤色系とは、お味噌を仕込んで約10ヶ月~1年以上熟成したお味噌のことです。
専門的な用語ですと、『天然醸造』と言いますし、マルカワみそのほとんどが赤色系に当たりますね。
お味噌の淡色系とは?
お味噌の熟成が浅めのお味噌です。熟成に1ヶ月~3ヶ月ほどで熟成させたお味噌や熟成が若いお味噌のことです。。
熟成が浅い分、色合いも若い色合いになります。
お味噌の白色系とは?
簡単に説明すると、関西地方などでいわれる、『白みそ』というお味噌ですよね。呼び名は西京味噌などとも言いますね。
熟成が浅く、麹の割合が多く、塩分も5~7%くらいのお味噌です。マルカワみその白みそがそれに当たります。
お味噌の香りについて
お味噌の香りは2種類あります。それはお味噌のままの香りと味噌汁にした時の香りでございます。
お味噌のままでも、お味噌汁にした時でも両方共、醗酵による香りが大事になってきます。
人間は香水やお香の文化があるように、嗅覚によってリラックスできるようになっております。
お味噌の匂いを嗅いで『ホッ』とできたり、『あ~お味噌の良い香り♪』と感じる香りが最適です。
良い香りというのもヒトの好みがありますし、米みそと麦みそ、そして豆みそではまた、香りも違いますので、判断基準というのが難しいところです。
しかし、お味噌の減点対象となる香気があります。それは不快臭や不潔臭、雑臭などがするお味噌はあまりオススメできません。鼻をつんざくような酸臭や薬品臭もお味噌としてはいただけません。
お客様のお問い合わせで、手造り味噌の蓋をあけると、アルコール臭がしますとお問い合わせいただきますが、お味噌の醗酵過程で微量のアルコール醗酵は起きます。いたって自然の現象でございます。酸臭や酸の香りというのは、鼻にツーンとくるのが特徴です。
お味噌の組成について
粒タイプのお味噌を舌に乗せて、スラっと溶けるお味噌は非常にいい味噌です。また、上の歯に舌をつけてザラつきがないのも美味しいお味噌になります。
『味噌が練っている』という表現がありますが、お味噌がごまペーストのように粘り気があるのも、大豆を柔らかく炊きすぎてしまったり、大豆の潰し方など、大豆処理に何か問題がある時によく使います。
サラっと溶けて、舌触りがなめらかなお味噌がオススメです。
お味噌の風味について
食べ物の裏側に『原材料一括表示』というのがありますので、それを見ると良いと思います。
自然のままの作り方ですと、3つの原料しか入っておりません。米(ムギ)と大豆と塩でございます。それ以外は添加物と言っても過言ではありません。
お味噌の味は大豆のタンパク質からくる『旨味』、米やムギによるデンプン質の『甘み』、塩の塩化ナトリウムによる『辛味(塩味)』、大豆のサポニンという成分のわずかな『酸味』、醗酵過程のアルコール醗酵による『酸味』と人間の味覚の基本となる五味をバランスよく含んでおります。
- 大豆のタンパク質からの旨味
- 米(ムギ)のデンプン質の甘み
- 食塩による塩化ナトリウムの辛味(塩味)
- 大豆のサポニンによるわずかな苦み
- アルコール醗酵による酸味
この5味があるからこそ、基礎調味料としてのお味噌、日本人の繊細な味覚を養ってきたお味噌なのです。
その考えから考えると、原材料表示に『調味料(アミノ酸等)』と記載されたお味噌などは好ましくありません。人工的に作られた旨味が強くてお味噌のバランスがよくないかもしれません。
育った環境にも異なりますが、女性の方や育ち盛のお子様は、大豆の旨味が多いお味噌より、米の甘みが強いお味噌を好む傾向に当たります。
また、お酒好きな方や働き盛りの男性の方は大豆の旨味や塩味が強めのお味噌が好まれる傾向に当たります。
オススメとしましては、人間は『食べる』という行為は『食欲』という人間の3大欲求の1つでもありますので、自分の本能に、自然に感じたままで、『このお味噌が美味しい!!』と感じることが何より大切なのでは?と思います。その『美味しい』という感覚が自分が一番、食べたい!と欲している感覚かもしれません。
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