木桶仕込みについて
伝統的製法の一つとして、発酵食品と木桶は室町時代という長い間使われてきました。先人達の智慧がたくさん詰め込まれている木桶は醗酵食品は非常に相性がいいものです。長年仕込んでいくうちに麹菌も木桶に住み着き、蔵の些細な温度変化も商品に優しく教えてくれます。
マルカワみその木桶仕込みとは?
伝統と格式の木桶仕込み
発酵食品にとって温度変化というのは、商品の風味を決定づけることでございます。桶は気温が上昇しても、ゆるやかに桶の内側のお味噌に伝えて、下がるときにもゆったりと下がります。先祖代々、お味噌の醗酵は木の桶と共にゆっくりと、しかし確実に歩んでいきました。
大量消費・大量生産の時代の流れからステンのタンクが市場に出回る
しかし、そんな素晴らしい桶でございますが、いいことばかりではなく、桶を使うと、お味噌の漏れが生じたり、移動が不便であったり、木の破片が混入してしまうなど、いろんなデメリットもありました。
大量生産に不向きな桶はどんどん廃れていき、ステンのタンクなどが仕込み容器のメインになりました。ステンのタンクは生き物である木材を使っている桶と違い、均一的な役割を果たしてくれます。温度の些細な変化も、物質的な役割でしか伝える事ができません。
また、桶を作れる人も高齢化・後継者不足で何百年と続いた、古き良き桶の文化がなくなろうとしております。簡単・便利・安価・生産効率だけを追い求めていって、ゆったりとして温かい木桶仕込みが少なくなりつつあります。
桶で仕込んだお味噌はなぜか、温かくて優しい味わいになる
マルカワみそでは会社内にある約70本の桶を大事に大事に使って、今日もお味噌を熟成させております。木の桶で仕込んだお味噌はなぜかお味噌汁にした時に優しくて温かい味わいになります。
ステンのタンクでは決して醸せない風味と香りがあります。非常に神秘的で桶で仕込むことは『マルカワみその味』を守り続けることでもあります。マルカワみその約100年前の創業から今までずっと木の桶で仕込んでおります。お味噌を醸し続けてくれている木桶は今日も頑張って、味噌を優しく包み込んでいます。
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